本のひとりごと

読書記録

人種差別やフェミニズム

私の今年前半の読書テーマは「差別」と「数学」である。

 

数学に関しては今日は関係ないので置いておくとして、

差別をテーマに据えたきっかけは、年末年始に読んだ「銃・病原菌・鉄」だった。

この本では、歴史上で他の人種や民族に対しより優位に立ち支配者たり得た人種や民族は、その人種(例えば白人)だから優れていたのではなく、たまたまその環境に居合わせたから優位に立てたのだ、という考えが、紹介されていた。

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
 

なるほど、ではなぜ人種差別があるのか。

考えてみると日本では差別はないように見えるけれど、本当にそう言えるのか。

色々な本を読んで考えていきたいと思う。

 

先月読んだ『東大生の本の使い方』に確か紹介されていたこともあり、人種差別を扱った作品といえばということで、まず読んだのが、ノーベル文学賞作家トニ・モリスンさんの作品、「青い眼がほしい」。

青い眼がほしい (ハヤカワepi文庫)

青い眼がほしい (ハヤカワepi文庫)

 

タイトルから考えて、白人から黒人(と言っていいのか)への人種差別をテーマにした作品かと思っていた。

たしかにベースはそうなのだが、黒人やムラート(白人と黒人のハーフ)の人々から、より醜いとされる黒人(作品の中ではニガーと表現)たちへの差別的描写が数多いことに、驚かされた。

 

そして、フェミニズムや性犯罪をテーマにした2冊。

「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。

「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。

 
82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

両方とも、是非日本人男性の皆さんにこそ読んで頂きたい。

男性から見ての男尊女卑だけではなく、女性自身も無意識的にそうしてしまっていることもある(母親が姉より弟を大切にしたり)ようで、これには人種差別にも通ずる違和感を感じた。

 

男尊女卑も人種差別も昔のようにあからさまにではなく、悪気のないものに変わりつつあり、差別している側からするとそんなつもりではない場合が増えている。

差別は形を変えることはあっても、なくならないだろうと思うと悲しいけれど、その原因と結果について考え続ける、知ろうとし続けることには意味があると思いたい。